ニュースキュレーション
NEWS CURATION
樹木希林の「死を日常にしてあげたい」が現代の終末期医療にもたらす意味
樹木希林の「死を日常にしてあげたい」が現代の終末期医療にもたらす意味
「在宅緩和ケア」とは、末期がんの患者に対し、心と身体の苦痛をやわらげ、自宅で自分らしい生活を送れるようにするケアのこと。過酷な延命治療で苦しむことなく、痛みのない日常を続けられる選択肢として注目されつつある。
「死を日常にしてあげたい」――これは、俳優・樹木希林さんが晩年に語った言葉。
医療の進歩で“死にそうで死なない”という状態が長くなっている現代。
だからこそ、本人が望む死の迎え方が、ますます大切になってきているように感じます。
記事に登場する医師は、「死を家族のもとで迎えることが、患者さんにも家族にも、実はとても自然なことなんです」と語っていました。
病院ではなく、自宅で最期を迎えること。
それは、亡くなる人の“人生のまとめ方”であると同時に、残される家族が「ちゃんと見送った」という実感を得られる時間にもなるのかもしれません。
最期の時を職場から駆けつけて慌ただしく看取るより、最期の数ヶ月を一緒に過ごせるほうが、死を待つ人にとっては、どれほど心強く、嬉しいことでしょうか。
人は誰でも、いつか必ず死にます。
でも、その死が「どこか遠い話」のままだと、いざというときに何も選べなくなってしまいます。
だからこそ、“死を自分ごと”にしておくこと。
日常の延長線上に「お別れ」があることを、ふだんから少しだけ意識しておくこと。
それができれば、最期の時間はもっと穏やかで、あたたかいものになるのかもしれませんね。